紫外線照射器

鉱物の蛍光現象を観察するためには、紫外線照射器(UVランプ)を用います。一般的に使用されているのは、水銀蒸気を封入した蛍光管に、特定波長の光だけを通過させる(可視光線を通さない)特殊なフィルターを装着したものです。2537Å(オングストローム)の光を短波紫外線、3650Åの光を長波紫外線と呼んでいますが、UVランプはこの2種類の紫外線を選択的に照射させるように作られています。多くの蛍光鉱物は、この2種類の紫外線(のいずれか)に反応し、蛍光現象を起こします。鉱物によっては、短波長の紫外線にしか反応しないものもあれば、長波長の紫外線だけに反応するものもあります。これは、それぞれの鉱物に混在している活性因子の電子を励起させるために必要なエネルギー量を反映しています。短波紫外線は長波紫外線よりもエネルギー量が大きく、蛍光する鉱物もたくさんあります。一方、宝石の検査には長波紫外線が用いられています。ダイヤモンドやルビーなどの主要な宝石がよく反応するためです。