所在地: | 島根県仁田郡奥出雲町上阿井1325−6 TEL:0854−52−2672 (奥出雲町教育委員会・教育魅力課) |
アクセス: | JR木次線出雲三成駅から、432号線を15キロほど南へ。 |
開館時間: | 午前9時〜午後5時 (4時を過ぎると閉めていることもあるので、早めに) 入館料 無料(無人なので、質問は出来ません) 12〜2月下旬まで冬季休業 (2024年) |
概 要: | 日本では、幕末以降、たたら製鉄から高炉製鉄への転換が進みますが、その移行期に、たたら製鉄同様、「砂鉄」を「木炭」で還元し、たたらよりも能率の良い(連続操業可能な)「角炉」と呼ばれる炉が作られました。
その角炉をメインにした展示館で、明治、大正、昭和初期に、たたら製鉄の膝元である奥出雲が、時代に遅れまいと、いかに苦心したかがしのばれます。 仁田町の鉄師頭取櫻井家が昭和10年に作った角炉を復元展示。二階建ての館の一階から天井を突き抜いて炉が据えてあります。蝋人形たちが作業風景を再現しています。送風用の水車小屋もあります。 |
感 想: | 車で行ったのですが、なかなか見つからず、道を間違えたかと思って何度か引き返しました。出雲三成からだと、トンネルを抜けたところで右手にレンガ煙突の突き出た木造建物が見えるのが、そうでした。知ってれば簡単。
無人とはいえ、広い館内(というより山小屋といった感じ)の壁面には、パネル展示や銑鉄サンプルなどが置いてあり、勉強になります。従来のたたらは、粘土で作った炉自体をフラックスにしながら操業し、最終的には炉を壊して銑鉄やケラを取り出すので、洋式高炉製鉄に比べると、品質は良くても、生産効率がかなり劣ります(ということは、鉄の販売価格が高い)。 ちなみに、新菅谷操業の立役者だった村下は、鉄鉱石から鉄が作れると聞いて、「ほう、鉄は石からでも出来るのか!」と驚いたそうです。洋式の製鉄法が導入されるまで、日本では、鉄は砂鉄からしか作れないと信じられていたのでしょう。 敷地は、櫻井家が文久元年から大正11年まで操業していた槙原たたらの跡地で、永代たたらの地下構造がそのまま保存してあるそうです。 (2000年) |