和鋼博物館

 

 

所在地: 島根県安来市安来町1058
 TEL:0854−23−2500
アクセス: JR山陰本線 安来駅から北西へ徒歩10分
開館時間: 午前9時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)    水曜休館(水曜祭日のときは、翌日) 
  入館料 310円  (2024年)     
概  要: 付近で作られる鉄を、大阪などへ積み出す港町として栄えた安来港のほとりにある博物館。かなり大きな建物で、日立金属が随分後押ししたのだと思います。平成5年オープン。

たたら製鉄に使用した道具類の実物展示が充実しています。筆者が見た中で、天秤フイゴ(踏みフイゴ)の実物があったのは、ここだけ。2階には、キャラクターロボットがSF的なたたらを使って炉に炎をたてるデモがあります(五分くらい)。

安来港の発展が辿れる、町のジオラマがあります。そのほか日本刀の展示、作刀を紹介するビデオも多数あり。ハイビジョンシアターや「和鋼」の命名者、俵博士の遺品資料を展示した部屋もあります(もともと日立金属鞄烽ノ、氏の資料を集めた「和鋼記念館」がある、か、あった。)

感  想: ほかのテーマパークと比べると、随分規模が大きく、よくも悪くも都会的な雰囲気があります。

天秤ふいごの実物(乗って踏んだらちゃんと動いた。でも乗ってよかったかどうかわからない)を始め、たたら製鉄(炉でのケラ作りから、どう場、大鍛冶、小鍛冶)に関わる道具類が系統的に展示してあり、さすがに品揃えがよく、鉄の文化デパートにきたような感じです。

2階には、パソコン画面を前に、鉄博士へのチャレンジ問題を解くコーナーがあり、立て続けに全問正解、君は鉄博士だあ!を出して、すっかり気をよくしました。

一時間に一回あるロボットくんのたたら実演は、本当に炎を立てるので、ちょっと暑い。和鋼風土記に、操業中のたたらの側には、普通の人は熱くて近づけない、村下(むらげ)にしても、皮膚を露出して近づくと、真っ赤に火傷してしまう、とあったのを思い出し、ちょっぴりですが実感が湧きました。

2階ロビーでは、日本刀を作る様子のビデオがあって、これだけ見てても結構時間をとります。日本刀の展示は、具の目の乱れがなかなか芸術的、でも私はダマスカス刀の流紋の方が好みかな。

安来市は、なんといっても日立金属のお膝元で、安来と鋼に関する説明の多くに、同社の名前が出てきます。一階のミュージアムショップには、同社で作った「ヤスキハガネ」製の包丁やナイフが販売されているので、お土産にいいかも。いまでは入手の難しい、砥石も売ってます。
いわゆる和包丁は、「使い終わったら、よく洗って、火で炙って、サラシに巻いて蔵まわないといけない」と聞いてたのですが、ニッケル系ステンレスの銀紙3号、5号は、錆びにくく、家庭でも使いやすいそうです。 (2000年)

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