No.6 ハンバーベルク(ドイツ)

ほんとうを言うと、ぼくはこの村の名前を知らない。
仮にハンバーベルク(そう聞こえたので)としておこう。
ニュルンベルクの北にある閑静な田舎だ。
仕事でこの辺りに行ったとき、同行の英国人が
小さな村に宿をとってくれていた。
そうでなければ、一生知らずに終ったに違いない。

9月の中頃。広々とした牧草地と畑が連なる丘。
ドイツでも風光の美しさで知られた土地だそうで、
各地からトレッキング(というか田舎歩き)を
楽しむ人たちが集まってくる。
学会や企業研修会なども開かれるとか。

泊まった宿。ここで食べた鹿肉のステーキ
(レー・リュッケン)が美味しかった。
ベリー類の甘いジャムをかけて食べるのだが、
初めてだったのでちょっと興奮した。

なんということのない農村だけど、
絵に描いたように素敵だと思った。

夕方、あたりを散策する。
黄金色の光の海に
浸っているような
透明な感覚があった。


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