アルタイ市郊外のチェルチェック村に古代石人の墳墓とみられるストーンサークルがあり、近くの丘には東西40m、南北11mほどの範囲に大小100余個の石が半ば埋もれつつ、空に向かって奇観を呈しているという。いずれも鉄質の隕石で、最大のものは高さ3mに及ぶ。
アルタイ系民族の文化圏では、ストーンサークルと共に鉄器遺物の発見される例が多く、ときに上の画像のような隕石(鉄)の存在も確認される。
彼らの間には、次のような流星説話がある。
天はあたかも天幕(テント)の形で大地を覆っており、その上に住む神様は地上の様子を覗くために、ときどき屋根の幕を引きあげる。流星はこのとき零れ落ちてくるもので、だから流れ星に願いをかけると、神様が聞いていて願いをかなえてくれるのだと。
とすれば、隕鉄は神の国から降ってきたがゆえに、霊気を帯びた聖物として尊崇されたと考えられよう。
また、天を駆ける鳥のような鹿の絵を刻んだ石もアルタイ文化圏に特徴的な遺跡で、鉄器文化と密接な関連があると指摘されている。
補記:ウルムチには世界で3番目に大きな隕石がある。1917年に青河県で発見され、その後ウルムチに運ばれてきたという。重量は30トンほどあり、成分は鉄78%、ニッケル3%、その他銅などが含まれる。