ひま話 ヒューストン自然史博物館 (HMNH)  その2 (2015.10.11)


なにしろアメリカはツーソンショーの国で、現代鉱物趣味の発信地ですから
誰もがどこかで見たことのある、現代を代表するコレクター標本は
たいがいのものが揃っています。
というか、HMNHのコレクションは欧州の博物館と同様に
コレクターの蒐集品が中核となって形成されています。
その歴史が新しい分だけ、いわゆる古典的な標本よりも、
お金を出せば(そりゃ恐ろしいくらいの値段ですが)
今でも手に入る類の標本が多く展示されています。
それをみていると、やはり「財力」という言葉が生々しく想起されない
わけにいきません。しょせん庶民の趣味ではない、と思い知らされます。
(そういう感覚があるうちは、自分はまだ正常なんだと、確認できます)
まあ、そんなこと言っててもつまらないので、
それはそれとして脇へ置き、食い入るように眼福に預かるわけです。

イギリス、カンブリアの方解石
これも昔の定番品で、今は採集困難な産地の標本

ナイカの石膏
ど定番、と言っておきましょう。

ボリビア、ユニフィカダの伝説的なフォスフォフィライト
きっとこれ一つで、家が買える

南ア、ヌチュワニン鉱山の菱マンガン鉱 ため息ものです
暫し離れられませんでした

カリフォルニア、三人小人鉱山のトパーズと煙水晶

カリフォルニア、パラの電気石(無色!) 頭に三角マークが見えます

スウィートホームの菱マンガン鉱 「アルマ・クイーン」
図鑑の表紙とかでおなじみ cf. No.700

メキシコ産天青石と蛍石 これもどこやらでおなじみ
日本にも展示品が来てなかったかしら?

インカローズ

最近出た、米国で一番と呼び声のかかった エメラルド

ベニト石を鏤めた蝶の装身具

この博物館のコレクションの難点を言えば、
標識(標本ラベル)がでたらめなことと(ラベルがなかったり、違っていたり)、
室内照明が暗すぎることと、系統的な分類は眼中になくて、
とにかく逸品を見せればいいんだと
割り切ったかのような展示になっていることです。
まあ、それでいいといえばいいんでしょう。
だってそういう品を見にきてるんだから。

ただ、標本や宝石の上に埃や汚れがかぶったまま清掃されて
いないのはやっぱり、いただけません。
特に宝石のカット面は定期的に清拭しておかなくちゃ。
(いたむといけないから触らないのかな?)

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