447.ぶどう石3 Prehnite (インド産)

 

 

Prehnite

白かりん糖状のぶどう石集合−インド、マハラシュトラ、マラド産

 

芸術だとか、自然鑑賞だとか、美しいものを味わうという気持ちは、よりよい生を生きるいしずえ(礎)ではないか、とこの頃思うようになった。

世の中には嫌なこと酷いこと目を覆っていっそ頭蓋を壁にぶつけて割ってしまいたいことが山ほどあり、百年河清を待つごとく、けしてなくならない。けれども環境に合わせて鬱々と、日々目を上げることなく暮らすしか選択肢がないと思い込むのなら愚かしい。野田幹子が語るよう、私たちの意識の拡がりは宇宙よりも広い。私たちは善きもの美しいものを知って愉しみ、心をゆるゆると遊ばせる選択をすることも出来るはずだ。
そこで、美に親しむ希みは、心を保つ修行でもある、といえるだろう。

美しいものに惑溺したらひりひりする環境が変わるのか、鉱物趣味が世界を救うか、などと自ら非難するのは正しくない。幸せな未来は幸せな心を栄養にして生まれる。
愛しのKは、あなたが変われば世界は変わる、あなたが世界だ、と教えている。が、それは今は忘れましょう。

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