No.2 マドラス その1

 

今はチェンナイと呼ばれている南インド最大の都市だが、
私にとっては何時になってもマドラスである。
17世紀イギリス東インド会社が商館を建設してから
急速に発展した町で、いまも植民地風の建物に事欠かない。
一方、ドラビダ系インド色のもっとも濃い地域でもあり、
町を歩けば、北インドとは全く違った雰囲気が味わえる。

エグモア駅近くの木賃宿の裏手で。
南インドの人々はタミル語やテグル語などを話す、
肌の色の黒い民族が多い。にっこり笑った歯が白い。

早朝。木賃宿の裏手で。
こういう光景にいちいちショックを受けていた私です。

道端で野菜を売っている人たち。一日こうして座っていて
夕方になると、水牛に引かせた荷車に乗って、
のんびり家路を辿ると思われる。しかし、家を持たない人も
多いので本当のところは分からない。

いつもお世話になっていた、道端のココナツ売り。
ナタでココナツの上部を抉って、中のジュースを飲む。
そのあと頼むと、実を割ってくれるので、白いゼラチン風の
果肉を戴く。意外と衛生的(?)なので、水分補給は
もっぱら、このジュースとチャイでまかなった私。

浜辺のサトウキビ・ジュース売り。
こういうところでカップに入れてくれる氷は、
日本人は呑み下さないほうがベター。

水牛車。インドでは牛はのんびりとゴミ箱でバナナの皮など
あさっているが、水牛は懸命に働いている(働かされている)。

多分、後ろの子供の服を洗濯しているのだと思う。
代えの服がないのか、裸で駆け回っていた。
マドラスはホット・ホッター・ホッテストと呼ばれる気候で、
年中蒸し暑い。冬場でも日本の夏のようなお天気だ。

洗濯場らしい。(ほんとうは寺院のまわりの貯水池)

マドラスその2  その3


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