No.2 マドラス その3

南インドではヒンズー教が盛んだが、
イスラム教や仏教もないではない。
早朝、モスクからコーランの詠唱が
聞こえてきたりする。

ヒンズー教は、非常に錯綜した複雑で
巨大な教義体系を持ち、外国人が
全貌を掴むのは不可能に近い。
インドの人たちでも、何千という神様の
中から、お気に入りの方を選んで
信仰しているそうなので、多分、
それ以外の神様のことはよく分か
らないだろうと思う。寺院には裸足で
入る。教徒以外は奥まで入れてくれない。

 

象の頭を持った神様ガネーシュ。
シヴァ神とパールヴァティー妃との
間の子供で、母から誰も中に入れるなと
言いつかって部屋の外で見張りをしていた
彼は、父親さえ通そうとしなかったので、
怒った父に首を跳ねられてしまった。
その後、息子が可哀相になったシヴァ神は、
最初に通りかかった動物の頭をつけて
彼を生き返らせたのだが、それがたまたま
象だったというお話。
なんて、いい加減なお父さんだろうか。
ガネーシャは豊穣と商売の神様。


ちょっとした通り、民家が並ぶ間に、祠を見ることもよくある。

寺院に参る人たち。
昼も夜も(例えば午前4時頃)、寺院を訪れる人がいる。

カパーレーシュワラ寺院だったと思うが、
記憶が定かでない。ごちゃごちゃした模様は
ひとつひとつが極彩色の神様の像で、
この色の洪水とごった煮風の豊穣さと
献花とお香の匂いが、ヒンズー的インドである。

ヒンズー教のある宗派の信者の家の玄関の地面に
白墨で描かれた魔よけの模様。

 

これは、街角で見かけた風景。二人でホッケーをやってるように
見えるが、どういう遊びなのか。かなり気合いが入っていた。
広場や砂浜へいくと、よく大勢の子供たちが
羽子板のようなバットで野球に似た遊びをしていた。
多分、もとはイギリス人がやっていたスポーツなのだろう。

ちなみにマドラスのインド人は早起きの方が多く、
中流以上の家庭では、朝起きると、ベッドの中で
紅茶を飲む習慣を堅持しているところが多いらしい。
モーニング・ティーという。
これもイギリス人が持ち込んだ優雅な伝統である。

マドラスその1   マドラスその2


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