15.花弁状玉髄 Chalcedony (USA産) |
へんな鉱物だ。こんな形を作り上げる理由が知れない。母岩は珪酸が染み込んだように見える黒褐色の岩で、その上にインドネシアのお化け植物ラフレシアみたいな花弁状の淡いピンクの玉髄だか、蛋白石(オパール)だかが乗っている。家人は、作り物(たとえば、花弁状の玉髄を母岩に接着するなど)を疑っているが、その可能性はある。
数年前にツーソンの鉱物祭りで初お目見えしたというのも、怪しい。
けれども紫外線をあてると、微量のウラン成分に起因すると思われる黄緑色の蛍光を発するあたり、玉髄や蛋白石の常道をいってるようでもある。母岩の枯れ具合は花弁の風情とよく馴染んでおり、何といってもわざわざこんなもの作ろうという奇特な人がいるとは思えない。やはり天然なのか、と思い直す。ほんとうに変わっている。鉱物の世界は不思議がいっぱいだ。