27.蛍石 Fluorite (アルゼンチン産) |
多分アルゼンチンのどこかに、黄色や緑色や紫色をした蛍石の地層があって、「お次は紫さんの番だよ」とか言いながら、どんどん積もっていってるのだろう。
関係ないが、この標本は、「ホープダイヤ」を見た帰りに、スミソニアン博物館のミュージアムショップで記念に買ったもの。
追記:いつスミソニアンに行ったのか覚えていないが、標本の購入記録からすると
97年だったらしい。産地情報は依然手元に乏しいのだが、コルドバ県プニリャ区サン・ロケ地方のカバランゴ(Cabalango/Cabalongo)であることは分かった。
カバランゴはロス・コリーリョス渓流沿いの山村で、その付近にいくつか鉱山がある(あった?)。約1億3千万年前の熱水鉱化作用で生じたレンズ状の蛍石鉱床を掘るもので、60年代にはブエナ・ベンチュラ、ラ・ブランカの二つの鉱山が全盛、70年代以降はラ・ヌエバ(新坑)での採掘が主流になった。フッ酸の製造原料として販売されたが、縞目の美しいものは宝飾・装飾材としての需要が開けた。この時期が収穫期だったようだが、現在でも市場に多少のマテリアルを見かける。
縞目の蛍石は今日では中国産が多いが、色の鮮やかさやコントラストはアルゼンチン産の評価が高く、クラシックと目されている。(2022.8.17)
cf. ヘオミネロ5