徳島自動車道を脇町でおりて５分ほど東へ走ったところに、阿波名物、「土柱」（どちゅう）という名跡がある。知らない人の方が多いが、天下の奇勝だ。少なくとも阿波国産の人間はそう信じている。山中の崖が、長年の寒暖風雨に削られて出来たもので、たくさんの土の柱がそそり立つ風変わりな様相である。柱の頭にあたる部分が風化に強い岩石で覆われているため、そこだけ侵食されずに残ったものだ。同様の例は、アメリカやヨーロッパにはいくつかあって、特にチロル地方の土柱は世界最大であるが、わが国には二つとない地形という（※というのは昔の話で、今は各地に見つかっているのだとか。また徳島自動車道の阿波PAに車を停めて、徒歩10分で展望台まで行けるので県外観光者のアクセスは随分容易になった。 2022.3）

で、写真の標本と、何の関係があるか？いや、別にありはしないのだが、ただ土柱はこんなふうなたたずまいなのである。石好きの方は、一度は四国のへそ、大歩危（おおぼけ）にある「ラピス大歩危」を訪ねることがあるだろう。その節は、ちょっと手前で高速道を降りて、是非お立寄りのほどを。土柱まんじゅうというシナモンを振った美味しいお菓子があるので、お土産にどうぞ。（宣伝して、どうする？）

　

阿波の土柱。随分久しぶりに観た。
かなり崩れている。 2022.3