55.サファイヤ  Sapphire   (スリランカ産)

 

 

私を、水平方向に輪切りにすると、六角形をしています。

コランダム −スリランカ、極楽鉱山産

 

「セレンディップの3兄弟」という民話(伝承)をご存知だろうか。
むかし、はるか東方のセレンディップという島に3人兄弟の王子たちがいて、冒険の途中探してもいないのに次々と珍しい宝物を手に入れたというお話だ。
この逸話をもとに、セレンディピティという言葉(英語)が作られた。別の目的で研究をしていて、全く関係のない大発見をした時などに使われる。古来、発見にはセレンディピティがつきものである。鉱物の採集においても、同じようなことがいえるだろう。

ところで、この島はどこにあったのか。アラビア語でサランディーブ、西に伝わってセレンディップ、さらになまってセイロン。つまり今のスリ・ランカが、この民話の舞台であった。

スリ・ランカの首都スリ・ジャヤワルダナプラに近いラトナプラという町は、宝石を含んだ漂砂鉱床の上にあり、畑を掘ると、土の中からありとあらゆる宝石が見つかるという。写真のサファイヤ結晶も、ここで採集されたものだ。畑を作っていて宝石にぶつかるなんて、まさにセレンディピティにふさわしい島である。

(左)インド産サファイヤのカット石

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