734.テルルアンチモニー Tellurantimony (カナダ産)

 

 

テルルアンチモニー -カナダ、ケベック州アリティバイ山地マタガミ湖産
(画像の一部にシアンっぽい色や赤色がみえるのは本来の色でなく、
たぶん撮影レンズの収差)

 

テルルと相性の良い元素は金や銀、銅、アンチモン、それから硫黄、セレン、ビスマスあたりで、鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウムなどの族とも化合物をなすが、いくつかの鉱物を除いてたいてい希産種である。
テルルアンチモニーはその名の通りアンチモンのテルル化物で、組成式 Sb2Te3。カナダのマタガミ湖鉱山で発見され、1973年に記載された。コロラドのボールダー(テルル金銀鉱の有名産地のひとつ、コロラド鉱 HgTe の原産地)やサカルンブはじめトランシルバニアの各地、オーストラリアのカルグーリー、シベリアのアルタイ山地などで産出が報告されており、日本では札幌の小別沢鉱山が知られている。
Tetradymite(硫テルル蒼鉛鉱)グループのひとつで、Tellurobismuthite(テルル蒼鉛鉱)のビスマスがアンチモンに置換したものといえる。
一般にテルル蒼鉛鉱はテルルアンチモニーよりも多産であるが、逆にテルルアンチモニーが産する地ではテルル蒼鉛鉱はあまりみられないそうである。

画像は顕微鏡用のアクロマート4倍対物レンズをカメラに直付けして撮ってみたもの。リレーレンズを挟んでないからか、色収差が派手め。

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