「ヴィヴィパラス・リーシデル」、というのが、ジュラ紀に生息したこの貝の種名。
内に篭っていた有機体はとうの昔に消滅霧散したが、外骨格にあたる貝殻の方は、堆積層中での長い眠りの間に、カルシウム分とマンガンとが置き換わり、朱みの差した姿となって残った。思えば、美しい墓標である。 どうぞ、安らかに眠りなされ。 抜け殻の方は、私が大切に保管させていただきましょう。