C12.ポウナム”マナイア”  Pounamu Manaia  (ニュージーランド産)

 

 

スノーフレーク・ジェード(軟玉) マナイア彫 
−ニュージーランド南島、ウェストランド、ハースト産

 

ニュージーランド特産のポウナム(軟玉)の彫刻で、鳥の頭を側面から描いた「マナイア」と呼ばれるデザイン。
マナイアとは、「マナ」(威光:霊的な力)を持っているもの、あるいは、飾りたてるもの、といった意味らしいが、はっきりしたことは分からない。
 もともとは人(祖先)や神の側身を彫ったものだというが、 鳥頭人身魚尾の神話的生物であるとの説も有力だ。いずれにせよポリネシアの広い範囲で信仰されてきた存在で、太平洋に浮かぶ島々の文化交流の痕跡をとどめたモチーフであるらしい。
空(鳥)と大地(人)と海(魚)との結びつきと調和を象徴し、霊的な力を宿して、魔を退けるといわれている。 2羽の鳥が並ぶデザインは、やはり古い伝統にのっとったもの、と彫刻師さんが説明してくれたが、私には古代中国のモチーフである、双頭の鳥が連想されてならない。(それで、欲しい気持ちを抑えきれなかった)

この石はスノーフレーク・ジェードと呼ばれる珍しい種類のもの。 ハーストの山の高いところで採れる高品質の軟玉だそうで、緑色の軟玉に流れるように散った白いちぎれ斑は、なるほどぼたん雪のようだ。 このこと、ニュージランドで軟玉細工の仕事をなさっている「亀ちゃん」さんが知らせて下さった。ダイヤモンド・トリムソーの刃を入れると、なんともいえないタマネギのような匂いがするのだそう。なにか砒化物(あるいはセレンやテルル)を含んでいるのかもしれない。
ご教示、ありがとうございました。

cf. ポウナムの種類について 
  亀ちゃんのニュージーランド生活!
(「亀ちゃん」のサイト。軟玉作品の画像あり)

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