C3.軟玉の虎 Nephrite  (中国産)

 

 

ぶーぶー?

羊脂玉(宋代?)−中国、新疆自治区、和田産

きーきー!

中国人は羊脂(やんしー)と呼ぶ
 

羊脂玉(マトン・ファット・ジェード、やんしー・ゆー)は、軟玉の中でも透明感のある上質の玉を呼ぶ名前。あたかも脂身のような白〜クリーム色〜淡い蜜色をしている

この双頭の虎(?)は、中国辺境のある町で、回族の事業家から半ば押しつけられるように譲られた私の宝物。その方が20年ほど前に雲南で手に入れたものという。多分前足が欠けてしまったので(接着してあるが)、手放す気になったのだと思う。本当に脂身のように見え、手のひらに握ると心地よい。たまたま私が持っていた玉器の写真集を指して、「この本にだって、これほどの(質の)石は載っていないだろう」と言った。とても商売上手な方だった。

魔よけの虎だ、と教えられたが、どう見たって豚の顔。たてがみのある豚? ぶーぶー・きーきー。

補記:新疆和田地方製品品質監督局が2014年7月に発表した「和田玉標準サンプル」の画像をネット上で見ると、羊脂白玉は純白・雪白のもので、わずかに青み・暗みがあるものは「白玉」、はっきり暗みのあるものは青白玉となっているようだ。この基準に倣えば、この画像の玉は残念ながら羊脂玉でなく、白玉になろう。してみると、私は見る目がなかったわけか。このとろりとした透明感は実に素晴らしいと思ったのだけれど…

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