228.トロール石、鉄天藍石 Trolleite , Scorzalite(スウェーデン産) |
トロール石は Al4(PO4)3(OH)3 の組成を持ち、分子構造が天藍石に似ている。結晶質ノジュール、レンズ状塊、薄片層状で、天藍石(ラズライト)、鉄天藍石(スコルツァライト)、藍晶石、燐ばん土石などと共産する。
写真の標本は、天藍石の名産地ホルショーブルクのもので、トロール石は左半分のやや緑がかった淡青灰色の塊である。そのうちの色の暗いところがスコルツァライトだそうだが、境界が判然とせず、どこまでそうなのか分からない。右半分は、ルチル(金紅石)。ラズライト系の石とルチルも共産することが多い。
1868年に命名され(原産地スウェーデンの科学者、ガブリエル・トロル−バックマイスターに因む)、鉱物種としてはスコルツァライト(原産地ブラジルの鉱物学者、エバリスト・ペーニャ・スコルザに因む)より古い。ただし、希産であり、見るべき産地は少ないようだ(ミネ・レVol.8には「世界で3箇所しか報告がない」との言及あり−今ではもっと増えているだろうが…)。
cf.No.829