236.ホワイト石 Whiteite-(CaFeMg) (カナダ産) |
ホワイト石は1978年にヤンサイト(Jahnsite)のアルミニウム置換体として記載された鉱物で、その名はスミソニアン協会のキュレーターであったホワイト博士に捧げられている。記載者のムーアらはブラジル産の標本を分析して新鉱物であることを確認したが、その後、ラピッドクリーク産のよく似た標本を吟味したところ、やはりホワイト石であることが分かったという。発見はこちらの方が早かったらしいので、ラピッドクリークは惜しくも(研究者の指運により)原産地の名誉を逃したことになる。
成分組成が極めて複雑な鉱物で、ユーコン産の標本は、一般に Whiteite-(CaFeMg) と記述されている。単結晶はむしろ珍しく、たいてい双晶の証である凹面を繰り返している。水晶や天藍石と共産することが多く、その絶妙な組み合わせにより、やはり世界最良の呼び声が高い。