344.コバルト方解石 Cobaltoan Calcite (モロッコ産)

 

 

コバルト方解石 −モロッコ、ブ・アズール産

同 上

 

方解石は結晶の形の多様な鉱物だから、含コバルト種もやっぱりさまざまな姿形のものがある。No.343は犬牙結晶だったが、こちらは柱状、そしてブロック型。ピンクの発色程度もさまざま。方解石は奥が深いぜ、と思う。(でも、今のところはのめり込んでません)
上は数年前に出回ったタイプで、下が1年ほど前に沢山出たもの。後者の方が色がビビッドで安くて結晶が大きい。鉱物入手の潮時って、なかなか見極めがたい。

追記:コンゴ産のピンク方解石は 1980年代から出回って、世界最良の呼び声がかかっていたが、2000年代に入るとモロッコ産が出てきて声価を二分することになった。
ブー・アズールのコバルト・ニッケル鉱山ではすでに 1930年代にこのテの標本が見られたというが、市場に溢れ出すほどではなかったようだ。2001-03年頃、アグーダル Agoudal 鉱山で濃いピンク色の短柱状結晶がひしめく 1mサイズの板が採集され、03年のサン・マリオ・ミン・ショーにアクバル Aghbar鉱山産と標識された標本が出回ったのが始まりと思しい。それから数年間は各地の鉱物ショーの花形であった。
上の記事を書いた時分(2005年)は値段もこなれていて、ありがたかった。その後も折々新着品が出ているらしい。現時点での入手しやすさを言えばモロッコ産に軍配が上がる。 (2023.6.10)

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