372.ラピスラズリ Lapis lazuli (トルキスタン産) |
バダフシャンのラピスラズリ鉱脈の北東端はパミール高原に達しているという。(No.371)
ではほかの方向には伸びていないのだろうか。
この標本は、もしかしたらその答になるかもしれないもの。2003年の某メジャーショーで見つけた。業者さんに産地を問うと、「トルキスタン」との答。
本当か?と重ねると、「新しい産地だ、アフガニスタンとの国境付近だ」と言った。
ここでトルキスタンとは国の名ではない。チュルク人が住む土地を古来そう呼び、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタンなどがその範囲に含まれる。アフガニスタンに接するのは、タジキスタンとトルクメニスタンである(ウズベキスタンも)。
タジキスタンはNo.371のパミール・ラピス鉱山がある土地だが、これは半世紀以上昔に産地が発見されている。では、トルクメニスタンか?
しかし他のソースからは、トルクメニスタン産のニュースを聞かない。ここでは産地未詳ということにしておくが、ラピスラズリの鉱脈はこれまで想像されていたよりずっと広い範囲に眠っているのかもしれない。