395.ムトロライト Mtorolite (ジンバブエ産)

 

 

Mtorolite

含クロム・カルセドニー(ムトロライト) 
-ジンバブエ、ムトロシャンガ産

 

世に石英の亜種変種は数知れないが、これもそのひとつ、ムトロライト。
「ジンバブエのムトロシャンガに産するからムトロライトというのでしょう…」とフレドリック・ポー博士がなにかに書いていたが、甲羅を経た博学の鉱物者でも、次々と市場に出てくる、誰が名づけたか知れない石の名前まで、すべて把握しているわけにはいくまいよ。

カルセドニーとしては希産の石で、ジンバブエにしか採れないと売主の言う。(そりゃムトロシャンガの他所で採れるムトロライトがあったらヘンです)
この緑色はクロムによる発色で、それが珍しいのだそう。
上の標本は暗い緑色で、どっちかというと鉄分発色の碧玉に近い感じがするのだが、インターネットを検索すると、まるでミャンマー産ひすいのような白翠入り混じった磨き石が売られていて、そちらはなるほどクロムの色ですネ、と言いたい。(まあ、赤いルビーもクロムの色なんだけど)

層状の縞模様があり、珪酸分が少しずつ静かに重なって(沈殿して)カルセドニーを形成したらしくみえる。

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