411.魚卵石−豆石 Oolite -Pisolite (チェコ産ほか)

 

 

Oolite - Pisolite

まめ石Pisolite 
−スウェーデン、ロングバン産

まめ石−チェコ、カーロビイバレイ産

 

 No.410で紹介した Siliceous Oolite(魚卵状珪石)に似た産状のもので、珪酸(オパール)でなく炭酸カルシウムからなる石がある。鉱物種としては方解石の場合もあるが、むしろ霰石であることが多い。生成温度に関係しているらしい。オパールと同様、各地の温泉に産し、砂粒を核にして周囲を炭酸カルシウムが巻いている。切断面を観察すると、樹の年輪状の模様が見える。上の標本のようにバラけた球になっているときもあれば、下のように球が互いにくっついて塊になっているときもある。
断面を見るとあられ石では微小な結晶が集合している様子が窺え、一方オパールは貝殻状断口を呈して、また硬度も高いことで区別出来る。

和名あられ石(霰石)の由来は、「信濃国北安曇郡平村の温泉中に産するもの、その形のあられに似たるによれり。この地のあられ石は古来すこぶる有名にして、直径2,3分ばかりの球にしてその表面に数個の凹部を有するものあり。その球状をなせるは、玉滴石、豆石などと等しく絶えず動揺せる熱湯中に浮遊せる粒子の周囲に炭酸カルシウムの沈着して生じたるによる。」といい、もとは特殊な形状の石を呼ぶ名前だったのが、後にAragonite という鉱物種全般を指す言葉として採用されたらしい。(草思社刊 「楽しい鉱物図鑑」にエピソード紹介あり)

ここで豆石(Pisolite)とは、この種の玉石で豆粒ほどの大きさのものをいい、魚卵石(Oolite)は粟粒大のものをいう。 Oolite は日本ではウーライト、オーライト等と発音している。ちなみに英語ではオウアライト。
ちなみにヨーロッパには Erbsen Stein (豌豆石えんどういし)と呼ばれるものもあるらしい。

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