450.輝沸石2 Heulandite (インド産)

 

 

Heulandite

輝沸石−インド、ポンダハラプール産

 

このテの緑色輝沸石が日本の鉱物市場に紹介されたのは、多分1995年が初めてだったと思う。先駆けに露を掃った某鉱物商博士が、「初めて見た、非常に珍しい」と絶賛されたので、すぐ飛びついて有り難く拝領したのだが、その後も例によって途切れることなく出回り、今ではすっかり後光が薄れている。値段は当時の3分の1か4分の1といったところか。
もっともこう言ったからといって、私が氏を信用していることは変わらない。場数も眼力も優れた先達のお薦め標本は、とにかく一度手にとって、よく眺めておくのが目の肥やしだ。リソースの許す限り、買うべし。

インド産の輝沸石は、板状の結晶が少しずつずれて反った形に双晶していることが多いが、このタイプでは、むしろブロック状に連なっていて、ちょうど苦灰石のように面が捩れた形をしている。内包物は 緑泥石という説とセラドン石という説があり、また最近は鉄分の混入による発色の条件も重なっているのでは、といわれている。

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