「水古風(ミズコフ) 〜ニッポン人のススメ」の原作者グレゴリーは、7歳の時、父親に命じられて庭の芝生の手入れをした。見ていた隣家の日本人がドーナツをくれた。その日本人はグレゴリーに言った。 「食べる前にはあったはずのドーナツの穴、あれはどこに行ってしまったのだろう?」 それが彼の日本体験の始まりだった。 こんな日常会話の出来る日本人は、この国ではとっくに絶滅してしまったが、数十年前の海外には、まだ細々と生き延びていたのだろう。