573.ハイダルカン石 Khaidarkanite (キルギスタン産)

 

 

Khaidarkanite ハイダルカン石

Khaidarkanite ハイダルカン石

ハイダルカン石 
-キルギスタン、フェルガナ峡谷、ハイダルカン・アンチモニ・水銀鉱区

 

この石との出会いは何時だったか。うろ覚えだが、多分6,7年にはなるだろう。某大阪ショーで、サムネイルサイズの白色母岩に鮮やかな空色(セルリアン・ブルーというのか)の針結晶が5ミリ大の双球を作っているのを見た。美しい。触手(食指)が伸びて手にとって、名前を読んでクラっときた。
私はキルギスとかフェルガナとかハイダルカンとかペシャワールとか、中央アジア風の響きにヨワいのだ。
だが値札に迷った。鉱物愛好家の金銭感覚は、こと石に関する限り節操がなくて当たり前なのだが、ときに妙なコダワリが意識に上ってヒキが入る。このテの希産鉱物の場合、なるべくなら越えたくない一線が私にはあって、ほぼそのリミットだったから。(余談だが、国産の新鉱物標本はたいてい諭吉先生が数人がかりでお迎えに上がらねばならないので、out of 眼中。)
加えて何の知識もない初見の一品モノは、いくら美しくても踏ん切りをつけづらい。今は1点しかないが、いずれ沢山並んで出てくるかもしれないと思うと、もっと安くていいものが待っているような気がしてくる。結局、後ろ髪を引かれながら自重した。
それが未練の始まりで、その後数年間、姿も拝めない日々が続いたのは、もはや通い慣れた我が道というべきか。

それでたしか2年ほど前だったが、ようやく大量の標本が国内外のお店に出た。でも値段はかつて躊躇した数倍に上っていた。ああ、そんな人気のある石だとはオジさん知らなかったよ。
で、やっぱり見送ったのだが、この度ようやく手ごろな標本に逢って、ついに落手の運びハイダルカン。形のよい丸い放射球に刷り込み効果の愛着があったのだけど、まあこのくらいが我が懐の折り合えるあたりダヨ。

ハイダルカン石の組成式は、Cu4Al3(OH)14F3・2H2Oとか、Na0.34Cu4Al3(OH)14F3・2H2Oとか、鉱物データベースサイトに載っている。後の式の電荷バランスは一体どうなっているのだろう。どうしたって収支が合わないと思うが?
産地はわりと大きな水銀鉱山らしい。随伴鉱物は銅やフッ素を含むものが多い。まだまだエトランジェな鉱物だ for me.

鉱物たちの庭 ホームへ