No.9 バンダル・スリ・ブガワン(ブルネイ) その1 

ボルネオ島は、北側がマレーシア、南側がインドネシア
に属する巨大な島だが、北側のほんのわずかの部分が
ヌガラ・ブルネイ・ダルサラーム国の領土となっている。
ブルネイは天然石油・ガス資源の豊富な国として知られ、
東南アジア諸国としては例外的に異常にGDPが高い。
バンダル・スリ・ブガワンはその首都で、道を歩けば
経済力の恩恵は自ずと明らかであるといいたい。

熱心なイスラム教国としても知られ、公安の手によって
戒律違反が厳しく監視されているとの噂である。
国内でのビールの入手は困難であり、旅行者の
持ち込み本数も規制されている。強力なネットワークを
駆使して、私共の滞在ホテルに酒類をお届け
下さったM社の駐在員さんには感謝の言葉もない。
ちなみに、私はこの都の日本大使館でいただいた
午餐のずんだ餅の味が今も忘れられない。

川辺に沿って建ち並ぶ水上集落。
風が渡るので熱帯にあっても涼しい。
エアコン完備のコンクリート造りの住宅より
こうした昔ながらの住まいに暮らしたがる人は多い。
国は衛生面から上下水完備の陸上住居を奨励し、
水上集落の建て増しや新設は制限されている。
従って、実はこうした集落に住めるのは、
公務員など収入の多い人たちである。

水上集落(カンポン・アイル)は、みすぼらしくみえても、
中は案外に広く、調度品は立派である。日本の
平均的な住居よりゆったりしているのは間違いない。
(100坪くらいは普通だそうだ)
隣の家との間は、板橋を伝って訪問しあえる。
買い物には水上マーケットが便利。人呼んで「東洋のベニス」

家の中(台所)。芋を洗っていました。

このような船(モーターボート)のタクシーに乗って
川を移動する。買い物に行ったり、陸地側に降りる
にも気軽に利用できる庶民の足だ。
またこうした船は、河口から海へ出てマレーシアへ行き、
交易品を積んで戻ってくることも出来る。
戻る前に、ビールをひっかけるなんてことは、
敬虔なハジ(メッカ巡礼者の尊称)には考えもつかないだろう。

 

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