No.9 バンダル・スリ・ブガワン(ブルネイ)  その2 

 

ボルネオ島は手つかずの大自然が
今なお息づく世界でも珍しい地域だという。

市街からボートに乗って30分も行けば、
そこはもう人跡まれなマングローブの原生林である。

マングローブは鳥の巣のようなもじゃもじゃの根を
泥地に下ろした植物。淡水と海水が入り混じる
河口付近だけに生育する。もつれた根は
さまざまな漂流物を網の目のように取り込む。
熱帯性の降雨が陸地から大量の土砂を
海に向かって押し流すが、それをしっかり掴んで
迅速に州に変えてゆく。マングローブは天と地に
向かってぐんぐん伸びる。天に向かった枝から、
先のとがった短い棒状のタネ(?)が落ちて、泥地に真っ直ぐに
突き刺さる。その剣先から新しいマングローブが芽吹く。
こうして群落が生まれ、周りにさらに陸地を作り、
森が果てしなく広がっていくのだ。

両側に樹々が迫っている。地面から巨大な
羽状の葉を放射しているのは、カッパヤシ。
森はほぼこの二種の植物からなっている。
このあたりの原生林は、アマゾンの熱帯雨林より
古いものだという。沈香木、落ちてないかな?

投網を投げる漁師。
体長25センチのエビが
一匹かかっていた。
マングローブの森は、陸地側からの
接近は不可能である。

採ったエビを見せてくれた。船底にしまっている。


港にて

市場に並んだ海産物。
ブルネイは国土が狭いので、
食料品の多くは実は周辺の国
からの輸入に頼っている。
(工業製品もそうだが)

まあ当然、国内産よりも輸入農産物の
方がずっと安いわけである。

こういう風景を見るたび、昔の日本もこんなだったのだろうかと思う。

市場で綿製品を売っていたイスラム女性。
この笑顔がブルネイだ(なんのこっちゃ)。

 

サンダカンへ  セピロックへ  ブルネイ その1


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