No.9 ボルネオ島 セピロック保護区のオランウータン
ボルネオ島の北東端、マレーシア領サンダカンは
昔からフィリピン密貿易の中心地だった。
主要輸出品は、過去には木材(ラワン)だったが、
現在は広大な農園で栽培されるアブラヤシ
から採れるパーム油に変わった。
人間がどんどんジャングルを伐採し、農園を作っていくため、
棲みかを失う野生動物が後を絶たない。
サンダカンに近いセロピックには、人間に飼われていた
オラン・ウータンを森に返すための保護施設がある。
復帰したはずのオラン・ウータン(森の人)が、餌場に
食べ物をもらいにくるところを観光客に見せている。
これが観光資源なのだから皮肉だ。
「森の人」たちを待って、だだ降りの雨の中を
ジャングルで立ち尽くすこと半刻。時間がくると、
森の奥から音もなく彼らがやってきた。
彼らの表情や仕草はかなり人間ぽい。
飼育係がエサをおくと
ありがたくいただくひとたち
親子連れだろうか 大きいひとと小さいひとがある
一人 樹の高みに登ってあたりを見渡す
見張り係なのだろうか
エサを食べ終わったら、さっさと樹上のおうちへ
帰っていく母子連れ。自立出来るといいね。
ときどき小止みしながら、雨が降り続いていた
見上げると樹林の丈はすこぶる高い
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