No.15 ワロン・フェスティバル(リエージュ) その1 

 

ドイツ、オランダ、ルクセンブルクと国境を共にする
ベルギー南東部は、古いヨーロッパの文化を
今も色濃く留めている地域だという。

9月半ばの日曜日、リエージュに来た。
お昼2時頃まで、ミューズ川沿いに蚤の市が立っていた。
その後、旧市街でワロン・フェスティバルという催しがあった。
あった…というよりたまたま出くわした。
これだから旅はうれしい。
Grand cortege des Fetes de Wallonie.

十字架と僧侶

ベルギーは北にフラマン人、南にワロン人と、
2つの民族が住む国だ、と学生の頃、習った。
両者は言葉も文化もまるで異なっているらしい。
リエージュはワロン人の多い町。フェスティバルでは
この地方の歴史的な出来事を模した仮装行列が
市街の狭い石畳の通りを練り歩く。

上はロバ(?)の牽く荷車に乗った聖職者と十字架。
なにを象徴しているのか、分からない。
落ちていたフランス語のパンフを拾って見たが
読めなければ同じこと。

吹奏楽隊

吹奏楽隊。
揃いの白スカートとハイソックスがお洒落。
男性のスカート姿も、偏見なく見れば
女性がスカートを穿くに比べて
特段おかしいわけでないと気づいた。
みんなで着れば、こわくない。

兵士

背嚢を背負った兵士たち
儀杖兵めいたきらびやかな軍服と
行軍用のランドセル。何処へ遠征か。

鉱山兵

パレードの途中で休憩中の兵士たち。
 上腕に鉱山マークの縫い取り徽章がある。
鉱山兵とみた。

リエージュは古くからの石炭産地で、
その歴史は1198年まで遡る。伝説に謂う。
Hullos という名前の鍛冶師がいた。
燃料にする木材を買うことが出来ず
火の消えた鍛冶場の前でしょんぼり佇んでいた。
そのとき天使が歩み寄ってきて彼をある山に連れてゆき、
そこの黒い岩を割って燃やせと教えた。
それが石炭だった。以来、Hullosの名に因み、
石炭を Houille (仏語)と呼ぶようになった、と。

それはそれとして、この行列が炭坑と
関係あるのかどうか、やっぱり私は分からない。
リエージュでは最後まで残った炭坑が
数年前に閉鎖されている。
深く掘りすぎて、もう採算が合わないのだそうだ。

騎兵

あばら骨を強調した軍服姿の騎兵隊。
死をもたらす者たちの象徴である。
でも女の子はかわいい。

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