No.20 雲南 (大理1)

 

雲南はもう一度ゆっくりと旅してみたい土地のひとつ。
なんだが知れないが、しっくりくる。
そこにある時間の密度と厳しさが
体にいいペースを刻んでくれるように思える。

雲南の大都会、昆明から大理へバスで移動。
なだらかな谷間の道をゆらゆらと進む。
両脇に山が迫る。斜面は棚田。日本の風景を見るようである。
数年前の大地震で割れた山をみた。

バスを降りて野原で休憩。農作業をしていたお年寄りの女性に
カメラを向けて身振りで許可を問うと、それはそれは恥ずかしそうに
手で顔を覆ってうつむかれた。
その気持ちがストレートに伝わったので僕もすごく恥ずかしくなった。
時に撮影者は傍若無人な振る舞いをするように見えるが、
それは撮影する行為がそのままある種の尊厳の
侵害にほかならないからだと思う。
切り取ったり、記録したり、鑑賞したり、所有したり、複製したり。
そういう行為が正しくない文脈はたしかに存在する。
「法的に問題ない」ですべて通ってしまう文化圏では
いとも簡単に蹂躙される価値観。

平坦な土地ではもちろん田畑も平ら。

大理2へ  大理3へ


このページ終り ホームヘ