No.21 雲南2 (麗江1)

 

大理から北へ170キロに麗江はある。
うろ覚えだが、1982,3年頃、共産主義中国のいくつかの都市が
ついに外国人に門戸を開いたとき、
これらの町にも数十年ぶりに海外文明の息吹が
流れ込んだのだったと思う。

麗江はその昔、ナシ族の王都だった。
旧市街(麗江古城)には彼らが
今も昔ながらの生活を営んでいる区域がある。
1996年に世界遺産に登録されて
おそらく随分変容を受けたと思われるが、
(例えば人民服を着た人たちが
都心部ではほぼ姿を消したように)

それでもまだ、独特の文化が残っている気配を感じた。

ナシ族はトンパ文字と呼ばれる
魅力的な絵文字を持っている。
漢字よりもさらに直感的な(原始的な?)象形文字だ。
中国本流の文化と、少数民族であるナシ族の文化との
干渉・軋轢について、私はたいしたことを知らないが、
アーシュラ・K・ルグインの作品(言の葉の樹)が
強烈にオーバーラップしてならない。
トンパの言霊がこれからも古い家屋の柱や天井に
息づき伝えられてゆくことを願う。

大理を後にして麗江に入る。中国らしいざわついた田舎の町の空気。
しかしそれは古城の外側の話だ。

生活するとはこういう雑踏のざわめきに浸ることだ、とか思ったりする。

古城と呼ばれる旧市街。
門をくぐるとまるで別世界のよう。

表通り…というのか。観光客向けの通り。
広い石畳のメインストリートを挟んで、立派な土産物店が軒を連ねる。

道沿いに清水の流れる掘割りが延び、風に揺れる柳が風情を添える

キレイな街路。悪く言えば生活感がないけれど、
よくいえばリゾートである。

テーマパークという言い方も出来るか。
観光にうってつけ。

日がな一日、水路端に座ってのんびりしたい、そんな気になるところ。

橋の袂で猿回しをしていたおじいさん

麗江2へ  麗江・昆明へ


このページ終り ホームヘ