No.69 ドレスデン 新・緑の丸天井(グリーン・ボールト) その1

 

選帝侯の居城だったドレスデン宮殿の一郭に天井を緑色に
塗った一群の部屋があった。17世紀まで選帝侯の
個人財産や重要書類を収める保管庫として使われていた。

1724年、アウグスト2世はここを博物館に変えて
バロック様式の豪華な内装の9室からなる宝物展示室とし、
金、銀、宝石類、琥珀、 珊瑚、象牙などを用いた装飾品や
王冠、装身具、ブロンズ像などのコレクションを収めて公開した。

それから2世紀が過ぎ、二次大戦の足音が迫る頃、
これらの財宝はケーニヒシュタイン要塞へ避難された。
1945年にドレスデンは激しい空爆にさらされ、
宝物室のうち3つまでが完全に破壊された。

戦後の占領期に財宝はソビエト連邦に持ち出されるが、
1958年にドレスデンに戻ってきた。
約4,000点のコレクションのうち1,100点が
アルベルティーヌムに展示された。
この1,100点は東西ドイツ統合後の宮殿復元作業を経て
2004年、2階に設けられた新・緑の丸天井に移された。

また残る3,000点は専門家によるメンテナンスを経て、
 2006年(ドレスデン 800年祭の年)に完成した、
1階の歴史的緑の丸天井で公開された。
創建当時と同じ9つの展示室(と入口の部屋)を持ち、
部屋ごとに琥珀、象牙、金銀細工、王冠などのテーマに分けて
世界的な名品が展示されている。
王室の金細工師 ヨハン・メルヒオール・ディンリンガーの作品など、
バロック期の絢爛豪奢な宝飾品を見ることが出来る。
(2019年に盗難に遭い、約1200億円相当の財宝100点が
行方不明となっている。)

新・緑の丸天井は写真撮影が許されていたので
その展示物のいくつかを紹介する。

 

地中海珊瑚(赤珊瑚)を使った女神のブロンズ像
ホラーなのか?

ギリシャ・ローマ風の神殿を模した置物。レリーフも見事

駝鳥の卵を使った装飾碗。4ツ爪足の脚台が印象的

不定形のバロック真珠を巧みに使ったペンダントトップ

アレシオ・メータ(真理計)みたいな装飾置時計 かなあ?
(ちょっと違う気がする)

いろいろな神話モチーフとキリスト像の組み合わせ
古代文化の混淆を感じさせる

真珠母を貼ったカップ

呑み助 机上におく玩具みたい

貝殻や珊瑚を組み合わせた海神の御座

ロック・クリスタル(水晶)で作ったカップ
ぜいたく〜

貝殻のしっぽを巻くドラゴン

セントールと女神(ダイアナ)
ダイアナはディンリンガーの十八番のモチーフ

ヤコブ・ツェラー作の象牙製の駆逐艦 (1620)
海神が支えて波の上を運んでいる。
帆の部分も象牙。

聖ゲオルク(あるいは大天使ミカエル)の
竜(サタン)退治をモチーフにしたエナメル宝飾品
エメラルドがきれい。

 

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