802.カールトン石2 Carletonite (カナダ産) |
カールトン石(カーレトン石)はマイナーな鉱物で日本ではあまり知られていなかった、とNo.54の追記に書いた。そういう(未知の)鉱物の写真を外国語の専門誌など眺めて見つけ、憧れ萌えて、そして海外のショーで手に入れてほくほく気分に浸ったりするのも、この趣味の愉しみのひとつであろう、と思う。
でも一方で、昨今これだけ(日本語の)鉱物本が氾濫するようになっても、国産の(入手が絶望的な)希産種と比べて、海外産の(入手がわりと容易な)希産種が取り上げられる機会に乏しいのはどうしたわけだ、という思いがある。
私の大好きなマンガ家、坂田靖子さんは同人誌の経験も長い方で(プロデビュー後も同人誌活動を続けられていた)、ホームページにこんなことを書かれていた。
「私のまんがは掲載誌もそんなにも多種類ではないですし、ずっと書店に並んでいるタイプの単行本でもないので、まだ読んだことのない方の目に触れる機会が極端に少ないのであります。
読んだことのない本を面白がってもらえるはずがありません。 宝くじは、買ったこともないのに当たらないのと同じ理由です。手に取る機会がなければ、それは面白いか面白くないか以前の問題で、誰にも読んでもらえないし、興味も持っていただけないし、もし100人中5人くらいしか気に入ってもらえないとしても、まずは100人に読んでみて貰わないことには、気に入ってくれる5人はみつからないのであります。」 (SAKATA BOX Spy the Desk
−2001.6.1−)
というわけでささやかながらもう一度、カールトン石をここに紹介したい。画像は 2000年の大ボナンザの一しずく(No.54 追記)。後になるほど、より品質のよい標本が、より安価に出てくるなんて、希産鉱物の鑑でありますよ。この石に惹かれる愛好家が増えますように。
※英名はカールトン大学に因むが、和名はカールトン石でなく、カーレトン石とされている。(このサイトでは一応語源尊重でカールトン石とした。)