1044.水晶(ジャカレー/傾軸式付着) Quartz Jacare- Inclined axis aggreg. (ブラジル産)

 

 

ジャカレー水晶 (エレスチャル・幾何配置形) 
−ブラジル、M.G.、ピアウイ産

黒色の単晶形平行連晶体を基盤に、
柱軸方向の異なる単晶形(彩色のもの)
が多数、配向的に付着したもの。

中央あたりの拡大画像

上の画像を左に約90度回した配置
(拡大率をやや下げた視野で)

左下部あたりの拡大画像

左上部の拡大画像

一番目の画像の下半分を約90度回転した配置

上の画像の右側の傾軸単晶あたりの拡大画像

一番上の画像の背面をみせた配置。
こちら側はほぼ一様な柱軸方向の柱面が発達。
左端に、左に向けて突き出している傾軸単晶形がある。

左上四半分の拡大画像

上の画像の左側側面。
上の画像で左に突き出している傾軸単晶形は
この画像の左端下側にある。

 

 

No.1043のジャカレー水晶の標本について、「基盤上に単晶形が平行連晶している」とサラリと書き流した。が、実は一番上の画像の中央最前列の単晶形をよく見ていただくと、他の単晶形と比べて錐面が(柱軸が)少し右手に傾いていることに気づかれるだろう。
これは頻度はそう多くないが、ジャカレー水晶にときたま現れる形態で、 20世紀初め頃に Zindel らが研究した「配向的付着」や双晶形態に連なるものと思しい。 cf. 水晶の双晶形式について3

一方このページの標本は傾軸式の付着が高頻度で出現したジャカレー水晶で、私は例によって、「フシギな形だなあ!」と思って愛着している。ひとくちに傾軸式といっても、さまざまな軸線の傾きや柱面の相対回転角があり、こうした事例を多数調べて出現頻度を統計的に議論できるようになれば、きっとなんらかの法則性があぶり出されるに違いないと思う。

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