1043.水晶(ジャカレー/平行連晶) Quartz Jacare/ parallel Growth (ブラジル産) |
それは措いて、ブラジル産のジャカレー水晶をもう一例。No.1042と少し趣きが違っているのは、鱗にあたる小晶が一本の主晶を取り巻いて付着しているというよりは、基盤(母体)となる大きな塊の一表面に大きさの近い小晶が多数並んで階段状に生じているためだ。これらの柱軸方向は概ね揃っており、一つの柱面は互いにほぼ平行している。つまり平行連晶の形で集合している。
No.1036や No.1037の小晶が異種である長石の結晶構造を介してエピタキシャルな平行配置をとっているのに対して、同種である石英の塊が持つ構造に調和しながら骸晶的な小晶が発達した、あるいは結晶核の異なる多数の小晶が一つの秩序で幾何学的に付着し同時的に比較的急速に成長した、結果とみなすことが出来そうである。
実際この種のジャカレー水晶の錐面には、4番目以下の画像で示すように、面の中央部が陥没した−稜付近が先に成長したらしき骸晶的な様相が見てとれる。