1043.水晶(ジャカレー/平行連晶) Quartz Jacare/ parallel Growth  (ブラジル産)

 

 

ジャカレー(ワニ)水晶 −ブラジル産
共通の基盤上に単晶形が平行連晶している。
両錐形が並んだでこぼこ感が、
ワニの鱗状模様を想わせる。

基盤となる石英塊の表面に、
両錐単晶形が平行連晶的に集合している

上の画像の細部
塊状部の表面は一様な結晶面でなく、
無数の細かな凹凸結晶面となっている。

塊状基盤(画像の下部)の上に載った
単晶集合形(透明度のある淡煙水晶)。

上の画像の単晶形の別アングル画像
錐面に骸晶模様が見られる。

拡大画像。錐面の骸晶部。

 

 

No.1042その他のページで時々ラファエル女史の言葉を取り上げて、「何を言ってるか分からない」と書いているが、「じゃあ、どうしてわざわざ言及するのか?」というと、ひとつには彼女が初期にはジェーンアン・ダウ女史(1936-2008)の協働者だったからで、私はどうしてだか、ダウ女史の著書から伝わる真摯な態度とハートの純真さを、理解出来ないとか荒唐無稽な妄想という言葉で退けてしまうことが正しくない気がするのである。(例えば私はレムリア人の霊的文明なんて史実としてあるわけないと思っているが、ダウ女史自身のエナジーワークの実効性は別に疑っていない。)
またひとつには、鉱物商品市場に与えたラファエル女史の影響はおそらく「鉱物学」愛好家の目に映るよりはるかに大きいと思われ、にもかかわらず、彼女の4部作は今の日本ではすでに(そっち系のお店のウェブサイト等で)あまり参照されていない印象を受けるからだ。

それは措いて、ブラジル産のジャカレー水晶をもう一例。No.1042と少し趣きが違っているのは、鱗にあたる小晶が一本の主晶を取り巻いて付着しているというよりは、基盤(母体)となる大きな塊の一表面に大きさの近い小晶が多数並んで階段状に生じているためだ。これらの柱軸方向は概ね揃っており、一つの柱面は互いにほぼ平行している。つまり平行連晶の形で集合している。
No.1036No.1037の小晶が異種である長石の結晶構造を介してエピタキシャルな平行配置をとっているのに対して、同種である石英の塊が持つ構造に調和しながら骸晶的な小晶が発達した、あるいは結晶核の異なる多数の小晶が一つの秩序で幾何学的に付着し同時的に比較的急速に成長した、結果とみなすことが出来そうである。
実際この種のジャカレー水晶の錐面には、4番目以下の画像で示すように、面の中央部が陥没した−稜付近が先に成長したらしき骸晶的な様相が見てとれる。

鉱物たちの庭 ホームへ