101.クリソコラ Chrysocolla (コンゴ産) |
透明感のある美しい緑青色に惹かれて買った。
標本ラベルに記された「ヘテロゲナイト」という、未知の鉱物名も魅力的であった。しかし、これは看板に偽りありというべきで、ヘテロゲン鉱は、緑色のプクプクの下に見える黒っぽい見栄えの悪い母岩(写真では左上に見える)の方なのだ。標本の大方を占め、美しく彩っているのは、実はクリソコラ−珪孔雀石である。
多分、クリソコラより、ヘテロゲナイトを前面に出した方が、コレクターの受けがいいのだろう。私のようなソソッカシイ人が結構いると思われる。
(そう言えば、昔、黒くて粉っぽい感じの母岩に半球状の淡いピンクのぷちぷちが付いている標本があり、滋賀石とラベルにあったのを見て、ほお綺麗なものだなあ、と感心していたら、実はピンク色は菱マンガン鉱で、滋賀石は暗い黄褐色のほとんど目にとまらないような箔片だったということがあった。進歩がないのう。)
それにしても、クリソコラとしては変わった色と産状だと思う(No.6のクリソコラを合わせて見ていただくとよくわかる)。ヘテロゲナイトは、コバルトの酸化・水酸化物なので、その上に積もったクリソコラにも、コバルトが若干混じっているのかもしれない。だから、こんな風に透明感があって、色も孔雀石のような緑色なのか、と襟を正して訊かれると、さあ…? というほかないのだけどね。