206.キューレトン石 Curetonite (USA産) |
No.54のカーレトン石のところで、名前だけ出しておいた石。手持ちの標本はウグイス色の土状のかけら(緑の矢印の先)なので、ギャラリーで紹介するにはどうかとも思うが、いいものが手に入りそうにないので、一応これをもって落とし前とする。
ネバダ州ゴルコンダ付近の重晶石鉱山から1979年に発見された二次鉱物。バリウムの燐酸塩で、化学式はBa4Al3Ti(PO4)4(O,OH)6
。簡単そうな成分だが、分析結果を出すまでに悪夢のような数ヶ月を要したという。Mg,
Sr, Si, Ca
等、副次成分がやたらと検出され、ふるい分けに精魂すり減らしたらしい。それでも新鉱物であることが分かった時、ひとはすべての苦労を忘れて舞い踊ったに違いない。
この標本は発見者のフォレスト・キューレトン氏が最後まで手元に持っていたロットの一品というので、結晶ではないけれど入手しておいたもの。
詳細データ:MR誌Vol.10、P219参照