213.かんらん石 Peridot -Forsterite (ロシア産) |
岩石の主要な構成要素となる(ありふれた)鉱物を造岩鉱物という。かんらん石はそのひとつである。といっても、本当に沢山存在する場所は地下数十キロ以上の深部で、上部マントルにはかんらん岩(質)の厚い層があるとみられている。地表で発見されるのは、地殻変動や火山活動により、溶岩や火山弾に伴って上昇してきたものにすぎない。ちなみに、No.140のニッケル−鉄−かんらん石の組み合わせは、惑星の内核部においてのみ存在可能とされる。
典型的な標本を2つ紹介するが、よく見かけるのはアリゾナ産の方だろう。現在世界に供給されているペリドート(ペリドット:宝石質のかんらん石)の8割はこの地で採れたものだという。
どちらの標本も、暗色の玄武岩の中に草緑色のかんらん石が入っているが、アリゾナ産は小さな結晶粒の集まったノジュール(球果)が玄武岩に取り込まれた形をしており、この石が玄武岩質のマグマに包まれて地上に上がってきたことを示す。このような形態の岩石を捕獲岩(モノリス)という。粒が小さいのは、おそらくマグマの上昇急なるがゆえに、地上で急冷されたためと考えられる。所々、緑が濃く黒っぽくなった粒が混じるのは、鉄分の含有が多いためか(ペリドートの緑色は鉄分が寄与している)。
それに比べると、ロシア産の標本はノジュールを作らず、個々の結晶がばらばらに玄武岩に混じったように見える。しかし、粒の大きさはアリゾナ産より大きく、透明度もよい。
で、その理由だが、それはまだ勉強中。