289.ザリャー石 Zorite (ロシア産) |
コラ半島に分布するアルカリペグマタイト中に産する珍しい鉱物のひとつ。ナトリウムとチタンの水和珪酸塩で、霞石の脈やその空隙に、エジリン、ソーダ沸石などと共に見つかる。ミリサイズの針状結晶が、放射〜マット状になって白い母岩に載る。特徴は赤みのある銅線のような色で、その名も「朝焼けの淡い薔薇色」。
同じ発想で命名されたアメリカ原産の鉱物に、エオスフォライトがあり、あけぼの石・曙光石などと呼ばれているが、本鉱は鉱科研(←勝手に略語)の井上さんが淡紅暁石と訳されている。
名前の由来である Zoria
は、堀博士に「ロシア語ではザリャーと発音するのです」と教えて頂いた。従って
Zorite はザリャー石である、と。
補記:ロシア人の誰もがザリャーと発音するわけではないようだ。