359.ジャスパー Jasper /Irnimite (ロシア産)

 

 

青色&茶色のジャスパー(イルニマイト)/研磨片 
-ロシア、ハバロフスク県、イルニマ川産

 

イルニマ川で採れるから、イルニマイトだろう…と推測される。タイカン地方のマンガン鉱床に伴って産するジャスパーないし珪岩で、黒色のマンガン酸化物(ブラウン鉱など)、青色のアルカリ角閃石類、茶色の鉄水酸化物を含むものという。それ以上は何も分からない。でも、綺麗だ。
いずれG&G誌とかに情報が載ったら記事追加しませう。インターネットで検索すると、青色を謳う貴石細工として出回っている様子…。

 

追記:出回り始めて 15年ほど経過したが、あまり新しい情報が出てこない。ただ mindat ほかネット情報を見ると、産地のマンガン鉱床がイル (Ir) 川と二ム (Nim/ Nimi)川との間の河谷地にあることに因むと記述されており、イルニマ川というひとつの川ではないようだ。(あるいはまとめてイルニマ (Irnima)川と呼ぶのかもしれないが。)
オホーツク海のウドスカヤ湾から南西に入った場所にある。
炭酸塩岩のスカルンに伴うマンガン鉱石(バラ輝石や菱マンガン鉱)に珪酸分が浸透した鉱床があり、その中に長さ90m、幅12m ほどのイルニマイトの脈がある。赤褐色〜茶色の部分は紅簾石 piemontite で、青色のアルカリ角閃石類はリヒター閃石とされる。
リヒター閃石と言えば、よく似たやや暗めの青色の塊が南アフリカのマンガン鉱床に見られる。茶色〜黒褐色のブラウン鉱の脈中に含まれるもので、時々、赤紫色の杉石標本に伴っている。これに珪酸が浸透すればイルニマイトと同様のものが出来るだろう(ちなみに No.256の2つの杉石標本はいずれも珪酸が浸透したもの)。
イル・ニム川のあたりでもいつか杉石が出てくるかもしれない。(2020.5.2)

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