440.ソーマス石 Thaumasite (RSA産)

 

 

Thaumasite

ソーマス石 -RSA、クルマン、インチュワニン鉱山産

 

ソーマス石はエトリング石グループの鉱物である。スウェーデン原産で、その名はギリシャ語のthaumasei (驚くべき) に由来する。珪酸塩であり、炭酸塩であり、硫酸塩でもあるという刮目の組成であったがために。理想成分は Ca3Si(CO3)(SO4)(OH)6・12H2O かしこそお〜、と書かれ、エトリング石グループらしく多量の水分を含んでいる。
アメリカ、ニュージャージー州では、石膏の変成物として見出され、しばしば硬石膏の仮晶をなしている。多くは雪白の塊だが、ときに小さな透明自形結晶をつくるものもある。(cf.No.439)
結晶はふつうミリサイズの針状で、溶岩中の晶洞に産する繊維状塊は、磨くと弱いシャトヤンシーを示しキャッツアイ石となる。
現在、本鉱の有名産地は、なんといっても南アフリカである。マンガン鉱山として著名な N'chwaning Uから、長さ5cmに達する宝石質の柱状結晶が産し、それまでファセット可能な透明石はほとんど存在しないとされた経験則があっさりくつがえされた。
とはいえ、やはり地味な鉱物であろうと思う。

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