561.ベイルドン石 Bayldonite (イギリス産)

 

 

Bayldonite ベイルドン石

ベイルドン石 (緑色クラスト状)
-イギリス、コーンワル、セント・ヒラリー、ペンベルシー・クロフト鉱山産

 

鉛と銅の水酸砒酸塩。イギリス、コーンワル地方のセント・デイで発見され、1865年にチャーチ博士によりジョン・ベイルドンに因んで命名された。彼はオリジナル標本の採集者である。(標本商のトーリン氏が標本を提供したともいう)
標本の産地、ペンベルシー鉱山はDana New Mineralogy 8th によるとウラン鉱山のようだが、別の資料によると非常に古い銅鉱山で18世紀末までに約3000トンの銅鉱石を出し、その後、銅と錫の鉱山として稼動されたが、1840年に閉山したという。そして1990年代に錫の価格が高騰してズリが調査されるまで特段の活動はなかったとある。
その通りだとすれば、ベイルドン石は、閉山した鉱山の古いズリが地表で風化したものとして発見されたのだろう。コーンワル地方やギリシャのラウリオンではこうした例がいくつかある。

本鉱は希産鉱物だが、最近は日本でもいくつかの産地で見つかっている。皮膜状のため、あまり注目されず見過ごされることが多いらしい。

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