560.オリーブ銅鉱 Olivenite (メキシコ産ほか)

 

 

オリーブ銅鉱 Olivenite

Olivenite

オリーブ銅鉱−メキシコ、マピミ産

Olivenite オリーブ銅鉱

Olivenite

オリーブナイト(剣状・粉末状)−USA、NV、マジューバ・ヒル産

 

ある年、ボストンの近郊でお昼を食べにカジュアルなイタリア料理店に入ったとき、テーブルにオリーブオイルの瓶がおいてあった。連れの白人はオイルを平皿にタップリとって、塩と胡椒を振りかけた。バゲットのパンをちぎって、浸して食べるのだ。サラダにでもかけるものと思っていたのでビックリしたが、やってみると案外イケる。パンをぱくつきながら、透明でねっとりした暗い緑色を眺めて、なるほどこの色はペリドットの色であり、オリーブ銅鉱の色だなあ…と思いを馳せた。食事の間も鉱物から離れられない私である。

オリーブ銅鉱は銅の砒酸塩で、硫化銅鉱床が激しく風化された富鉱帯に見出される。砒酸が燐酸に置き換わったものは燐銅鉱、銅を亜鉛に置き換えたものはアダム鉱で、互いによく似た結晶形をとる。
…ということだが、手元の標本を比べるとオリーブ銅鉱は針状であったり(上の画像)、剣状であったり(下の画像)している。燐銅鉱は四面体だったり、ひしゃげた長柱状だったりし、アダム鉱はやはり四面体だったり、ごつごつした角をもった放射球状をしている。それで、どうしてもこれらが似ているとは信じられない。

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