この標本は2009年にヨーロッパの業者から手に入れたもの。アブーデル産とラベルにあったが、調べてもどのあたりだかはっきりしない。
ただモロッコは、 2000年頃からアトラス山脈の高地（海抜2000mをこえる秘境）イミルシルの名で、さまざまな鉱物標本が市場に出回るようになっており、パキスタンのギルギットと同じく、周辺の山中のどこかで採集された標本がこの町に集められて業者の手に渡る、とみられている。
イミルシル産とされるぶどう石には類似のものを多く見受けるので、アブーデルは近くのどこかであろう、と私は思っている。もっともぶどう石は、産地が異なっても結構似通っていることが多いのだけど。

握りこぶし大の標本は手に持った重みが心地よく、マッスが感じられて、サムネイルにない説得力があるような気がする。いや、まあ、私なんかは説得されるまでもないのですが…。

cf. ヘオミネロ博物館３