784.天青石・コールマン石 Celestine & Colemanite (トルコ産) |
トルコ産の鉱物標本はあまり市場に出回らないが、コールマン石や菫泥石、海泡石、紫色のひすい石英などは時折まとまって出てくることがある。ビガディチュ産としては、コールマン石などのホウ素鉱物標本が
1970年代後半頃から現れ、30cm に達する巨大結晶に繊維状のプロバート石やウレックス石が伴っていた。
画像の標本は2009年に入手したもので、淡青灰色の天青石結晶を伴うコールマン石。地元にはたくさんあるはずだが、市場ではなかなかお目にかかれない。面白いコンビネーションなのだが、脆くて崩れやすい。このテのホウ素標本の泣き所であろう。
ちなみにビガディチュの古名はギリシャ語で井戸を意味するアンキラオスに遡るという。この地域の村に湧く温泉水にはセレニウムや硫黄分が含まれる。
補記:カリフォルニアのデス・バレーでもジオードの内部にコールマン石と天青石(無色透明)が共産する産状が知られている。