314.セネガル石 Senegalite (セネガル産) |
セネガライト…おお、セネガル石か!と国名がついていると独り合点して買った標本である。その判断は幸いにも正しかったことが後で分かり、私だっていつもいつもドジ踏んでいるわけではないのダ、と胸を張る。(⇒ホーランド鉱)
アルミニウムの1水和1燐酸3水酸塩(言葉で言うとややこしい)で、共産するトルコ石が銅とアルミニウムの4水和4燐酸8水酸塩だから、成分的にまあまあ似ている。
原産地のクーロンディッコには磁鉄鉱の鉱山があり、その上部酸化帯で発見された。命名は1976年。報告によると、二次成分として微量の鉄や痕跡量の銅を含む。産状を見ると、これもまあ当然かなと思われる。
今のところ、セネガル以外では確認されていないらしいが、トルコ石と同じ条件で生成するのなら、他の産地でも見つかりそうな気がする。共産鉱物は、ほかにアウゲル石、銀星石、クランダル石が述べられている。
また同じ成分の4〜5水和塩に Bolivarite
があって、セネガル石より半世紀ほど早く、スペインで発見されている。この石を乾燥させるとセネガル石に変化するかどうかは、残念ながら、資料がないので分からない。
補記:標本が流通したのは本鉱が記載された70年代後半期にパラパラといった程度だったが、2000年初に標本採集のために鉱山が再開発されたといい、以来わりとお馴染みとなった。この標本もその時期に入手したもの。2007-08年にかけて再び美品を出したという。