381.オパール Opal /Thunder Egg (エチオピア産)

 

 

opal ethyopia

オパール −エチオピア産


No.375のリトフィーズと同じく、流紋岩からガスが抜けて生じた空孔に、あとから珪酸成分が入り込んだ球果。中に詰まったアンコはめのうでなく、オパールになっているが、どちらが出来るかは多分ちょっとした温度や圧力の違いに左右されるのだろう。

周辺に向ってオパールの角が伸びている。この先端はもとあったガスが外部に逃げ出した脱出口であり、また珪酸分に富んだ鉱水が浸入してきた経路でもある。それは、あたかも深海底に潜んだ潜水艦の隔壁にわずかな歪みが生じ、そこから空気が漏れ、ついで恐ろしい勢いで海水が注ぎ込んでくるのと同じくらい、容赦のない出来事であったろう。

エチオピア産のオパールは比較的最近になって発見された。G&G誌96年夏号に、まだ初期調査が終わった段階としながらも、鉱脈の豊かさを仄めかす記事が寄せられている。メキシコ産の火山性オパールに似て、遊色を示すもの、透過光によって初めて遊色の見えるもの、遊色はないが透明で炎のようにあかあかと燃えるものなど、さまざまなタイプの石が、7キロ四方という広い範囲に埋もれているらしい。

ちなみにアメリカ、オレゴン州のウォームスプリングに産するこのテのめのうは、「サンダーエッグ」(雷卵石)の愛称で知られている。洋の東西を問わず、雷は神様の武器と考えられてきたが、当地の神々は雷と一緒にこの石を投げ合って喧嘩したと伝わる。おかしなオブジェに出逢ったとき、人はおかしな説明を考えつくものである。

cf. めのうギャラリー18

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