592.スティッヒ石 Stichtite (RSA産)

 

 

Stichtite スティッヒ石

スティッヒ石 -南アフリカ、バーバートン、インプマランガ産

Stichtite and Serpentine

スティッヒ石と蛇紋岩 −オーストラリア、ダンダス島レッド・リード鉱山産

 

紫色の石のひとつ。マグネシウムとクロムの炭酸水酸塩で、わりと珍しい鉱物である。蛇紋岩から変成して生じるもので、クロム鉄鉱などと共産する。緻密な塊状または画像のような層状の薄片として産する(いかにも変成物らしい)。発色の原因はクロムだろうか?

1910年に、ライエル鉱山・鉄道会社の先の主任化学者だった A.S.ウェズリーによって、オーストラリアのタスマニア島産が認識された。そして当時の鉱山監督者だったロバート・カール・スティッヒに献名された。原産地では緑色の蛇紋岩と脈中に含まれており、磨いたものは緑と紫色が入り混じった独特の美しい玉になる。パワーストーン系では、紫色の石としてスジライト(杉石)やチャロ石がよく知られているが、このタイプのスティッヒ石も「アトランティサイト」と呼ばれて重宝されているようである。紫色は高次の精神性に関連づけられる傾向があるが、果たしてほんとうにアトランティス文明と関係があるのだろうか。プラトン先生、いかがですか?
硬度は1.5−2程度で非常に柔らかい。カービングは可能だが、装身具にはあまり向いていないと思われる。

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