607.藍方石 Hauyne (アフガニスタン産)

 

 

Hauyne アウイン 藍方石

アウイン-アフガニスタン産

 

タジキスタンやミャンマーのラピスラズリ産地からは、かねてアウインの標本がちらほらと市場に顔を覗かせることがあった。例えば Minerals and their Localities のアウインの項にはタジキスタン産の画像が載っている。ラピスラズリに比べると彩度の高い滲んだような独特の青である。
ならば、かのサー・エ・サンからもアウインが出てよいのではないか。そんな期待は我々の胸の裡にぼんやりと、日の昇る前の朝霧のように立ち込めていたが、見通しは悪く、噂の実体に触れることも叶わないまま、歳月が過ぎていった。
しかし、この夏、ついにアフガニスタン産のアウインはそのベールを脱いで、我々の前に姿を現した。日が昇り、深い霧が晴れ、振り仰ぐ空に遠く明るく見えるような青色の、しかも自形結晶の標本が。
おお、ルシル・エル・ファイアルスよ、アラーよ、かくも長くお隠しになっておられた汝が秘蔵っ子に栄光あれ。

…と喜んでいたのは束の間、実はこれはハックマン石ではないかという説が…ほんとですか〜??

…と暗鬼に陥っていたところ、別の国産業者さんの分析では含硫黄ソーダライトとの鑑定が。まじ〜〜??

…その後、やっぱりアウインも産するという話になっている。どないやねん???

…その後、従来ラピスラズリと呼ばれてきた石は実はすべて硫化性のアウインであったとの話が…。⇒ No.250。一方、この標本のタイプの青色透明結晶は方ソーダ石である、と…(2014)

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